第80回記事の続きです。
ここからは、現場見学会の集客について、見ていきます。
[3]集客媒体の検討、内容制作、手配
見学会の告知をする媒体を検討します。
当然ですが、いくら見学会を開催しても、告知をしなければお客さまは来てくれません。
工事の進捗状況にもよるので日程は決まりにくいものですが、なるべく早く開催日を決めて、早め早めに告知をすることが望まれます。
集客媒体に関しては、それぞれに特徴や特性があります。
地域・エリアや、使い方によっても効果に差が出ますので、十分に検討したいものです。
媒体の種類(主なもの)と使い方
現場見学会の告知に使う、主な媒体を挙げます。
1. 新聞折込チラシ
2. 新聞折込共同チラシ
3. 新聞広告
4. ポスティング
5. ネット告知(ホームページ、ブログ、SNS、有料ポータルサイトなど)
それぞれ概要を見ていきます。
1. 新聞折込チラシによる集客
チラシは配布したほうがいいのですが、継続的に行うことが大切です。
単発で時々配布しても、反応はそれほど期待できません。
連続性・シリーズ性を持たせることで認知度が高まり、効果も出やすくなります。
チラシについては、第14回でも取り上げています。
<チラシ集客のポイント>
チラシで集客するために、重要なポイントがあります。
■ 自社のお客さま(ペルソナ)を意識して作る
■ チラシ屋さんに丸投げしない
以上の2点です。
チラシ屋さんは、綺麗なチラシは作ってくれますが、集客できるチラシを作ってくれるかどうかは分かりません。
というのも、チラシ屋さんは住宅のプロではなく、住宅以外のチラシも制作しています。
つまり、「工務店の集客」に、そこまで思い入れがない場合がほとんどです。
「お客さまに、このような内容を伝えたい!」と社長が口頭で依頼しても、チラシが作成されてお客さまに届くころには、熱量は大幅に減ってしまっているのです。
<できる限り自社で作成する>
そこで、できる限り工務店さん側で考えて作ることをおすすめしています。
本来はデザインや色使いまで全てできればよいのですが、なかなか難しい場合もありますね。
少なくとも、キャッチコピーや文章など、「お客さまに伝えたい内容」だけは自社で作成するようにしてはいかがでしょうか。
<反応率の良いチラシの特徴>
反応率が良かったチラシの特徴を挙げてみます。
[デザイン]
・季節感を感じるものにする(色合い、イラストなど)
・写真ではなくパースを載せる(手描きはさらに効果が高くなります)
[自己紹介は最小限に]
チラシについては、「自社の工法や設備などの紹介に重点を置かない」のが基本です。
工務店としては、自社の工法・構法や設備、自然素材の話などを載せたくなります。
しかし、それでは他社と差別化できない上に、お客さまの興味を引くこともできません。
自己紹介は必要最小限にして、「お客さまの知りたいことに答える」姿勢でチラシを作ります。
[自社の特徴を、自分以外で語る]
「弊社はこんなに性能の良い家を建てています」と自分で語っても、売り込んでいる感じになり、読み流されてしまいます。
そこで、工務店さん自身ではなく、「お客さまや、大工さん・職人さんの声」として掲載します。
すると、第三者が語ったものとなり、読む側が受け入れやすくなるのです。
■ 「お客さまの声」として、住まい心地や使い勝手などを載せる
これはよく載せられていると思います。例を挙げます。
「今年の冬は暖かいねえ、と同居の母がよく言っていたのですが、実は外はものすごく寒かったんです」
「居心地のよいスペースができて、家族が集まってくつろぐようになりました」
■ 「大工さん・職人さんの声」として、建物の特徴を載せる
お客さまが実際に大工さんや職人さんの話を聞く機会は、ほとんどありません。
ですから、現場で施工している人の声、ということで説得力が増します。
改善例 ↓
「私どもの建物は高断熱・高気密仕様なんですが、うちの大工さんがこう言うんです。
『今までの工法(在来工法)では、夏は暑いし、冬は寒くてたまらなかった。
特に冬は、壁ができるまで吹きっさらしで、手はかじかむし、作業性は悪いし、ホントつらかった。
けど今の工法は良いねえ。すぐに壁ができて、しかも断熱性、気密性に優れているから、あとの作業がうんと楽なんだ』
大工さんは通常、自分の作業場に戻って仕事をするんですが、今では『現場のほうが暖かい』と言って、朝から晩まで自分の作業場を使わないんですよ」
※ これは実際に私が大工さんと立ち話をしていたときの実話です。
■ 実際の話を入れてリアルに
全くの創作だと、どこかウソっぽくなってしまうので、実際にお客さまや大工さん・職人さんに聞いた内容を入れるようにしましょう。
こうすることで、お客さまに「伝わるチラシ」になります。
2. 新聞折込共同チラシによる集客
同じエリアの数社で、チラシの紙面を分割し共同で広告を載せるものです。
共同チラシが活用されている地域と、そうではない地域があります。
活用されている地域では、通常のチラシよりも安く広告が打てます。
~効果は広告の大きさに比例~
ページ数が多いチラシなら、トップページや最終ページの全面広告はインパクトがあり目を引きます。
しかし、それ以外の小さなサイズでは、費用は安いのですが効果も低い傾向にあります。
自社で作った小冊子などがある場合、例えば「家づくりの小冊子プレゼント」として、QRコードを載せるのがおすすめです。
スマホから自社ホームページに誘導し、氏名、住所、メールアドレスなどを入力してもらう仕組みにしておきます。
第82回に続きます。
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