第86回記事の続きです。
[7]会場の演出
では、見学会会場の演出方法について見ていきます。
説明パネルの作成
それぞれの工務店さんで、自社の建物の特徴があると思います。
標準になっているものは、あらかじめ説明パネルを作り、その箇所に設置しておきます。
<説明パネルの作り方>
大きさはA4サイズ縦(狭い場所に置くものはA5縦)で、Word等で作成します。
部位の名称を大きめの文字で書き、簡単な説明をつけます。
建築用語には、「檜(ひのき)」「框(かまち)」のように、ふりがなをふっておきましょう。
なお、書体は「ゴシック体」か「明朝体」のどちらかがおすすめです。
ポップ体などのカジュアルな書体は、少々安っぽくダサい感じに仕上がってしまうので、気をつけてください。
完成したら印刷し、ハレパネ(のり付きのスチレンボード)などに貼ります。
これらのパネルを、それぞれの箇所に立てかけておきます。
■ 説明パネルを用意したい主な箇所
柱、梁、畳、床の間、天井高、階段幅、階段数、サッシ・ガラス、フローリング材、床暖房、室内の各仕上げ材、押し入れ・ウォークインクローゼットの仕上げなど
キッチン、トイレ、ユニットバスなど設備ものに関しては、各メーカーさんのホームページから画像やデータをダウンロードできる場合が多いので、調べてみてください。
■ 自社の「ウリ」もパネルで紹介
例えば「1階の壁は標準で珪藻土塗り」とか「床材は○○仕上げ」など、自社のウリにしている箇所も分かりやすいようにパネルを作ります。
他にも見せ場を作っている場合には、パネルで丁寧に説明するとよいでしょう。
■ 構造見学会も同様に
構造見学会の場合は、構造が分かるようにしておきます。
構造見学会でのポイントや準備事項については、第16回の記事で取り上げていますので参考にしてください。
<説明パネルの使い方とその効果>
来場されたお客さまには、パネルを読みながら自由に回っていただくようにします。
お客さまが立ち止まって読んだり、ご夫婦で会話しているところを見計らって、こちらから声を掛けます。
すると、自然な会話につながりやすいので効果的です。
「基本的にお客さまご自身で勉強していただき、工務店側はそれを補足する」という感じです。
また、来場が多い時間帯で、スタッフが接客できないときもありますね。
その場合でも、お客さまはパネルを読みながらご自分で回ることができます。
結果的に、お客さまを退屈させることなく滞在時間を長くでき、自社の特徴も知っていただけます。
会場の飾り付け
自社のお客さまが好むような飾り付けを準備しておきます。
時々質問をいただくのは、「家具をどうするか」ということです。
私は基本的に、ダイニングセットとリビングセットくらいは用意したいと考えています。
ダイニングテーブルとイス、リビングテーブルとソファ、あとお子さんが退屈しないようテレビがあると良いですね。
2階に子ども部屋があれば、そこにもテーブルとイスを置いておきましょう。
進行中のお客さまが来られた場合に、打合せに使うことができます。
■ テーブルに食器などは並べない
なお、テーブルの上には、食器などの飾りつけは特にしません。
資料を広げて説明したり、打合せするときに不便なためです。
できれば、20インチくらいのモニターがあると便利です。
パソコンをつなぎ、ここで自社の紹介動画を見ていただくことができます。
座って落ち着いたところで、アンケートも記入していただけます。
■ 飲み物を出すときは気配りを
飲み物を出す場合は、汚れ防止のため、テーブルの下に敷物を敷いておくとよいでしょう。
飲み物を出すか出さないかは、工務店さんによって様々です。
ただ、例えば「カフェスタイルの家」を標榜しているのであれば、雰囲気づくりとして、コーヒーやお茶くらいは出したいものです。
そのほうが、お客さまもイメージをつかみやすいのではないでしょうか。
現場見学会の準備については、ここまでで終了となります。
次回からは実践編です。見学会当日の進め方について見ていきます。
第96回に続きます。
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