第109回記事の続きです。
引き続き、工務店の対応を考えていきます。
(4)リフォームのご提案は「テレワーク対応」
世の中では、一気にテレワークが拡大しました。
ところが実際にテレワークをしている人は大変です。
お客さまはテレワーク専用スペースが欲しい
確かに自宅でパソコンを使えば、仕事自体はできるのかも知れません。
しかし、家族がいる家庭内で、あるいは独身のワンルームマンションで、仕事をゆっくりと集中して行える場所はなかなかないものです。
そこで、一戸建て住宅や広めのマンションであれば、テレワーク用スペースのリフォームが考えられます。
ポイントは、「ビデオ会議を行うための環境づくり」です。
書棚、Wi-Fi環境、照明、本人の背景、コンセントの数などにこだわりたいですね。
なお、首都圏の郊外の工務店であれば、賃貸サテライトオフィス事業が可能です。
こちらもトライしてみませんか。
(5)新築のご提案は「新しい生活様式」で
「新しい生活様式」を、もう一度確認しましょう。
参考厚生労働省のホームページより「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月4日)-新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(PDF:3.3MB)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000629000.pdf
新しい生活様式は、上記資料の9ページに提示されています。
例えば、
「家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える。シャワーを浴びる。」
という表記があります。
これを実現できるプランはどのようなものかは、皆さんにお任せします。
ただし「新しい生活様式」は常に意識することをおすすめします。
そして、やはり「テレワークができるスペース」のご提案です。
昔なら「書斎」のイメージですが、近年のプランには全く登場していませんでした。
新しい「仕事場」「ワークスペース」の提案をしてみてはいかがでしょうか。
(6)モデルハウス、現場見学会における対策
モデルハウスや現場見学会は、基本的には予約制とします。
ホームページに、予約用ページを設定しておきましょう。
できれば、除菌・除ウイルス効果のある消毒機器を設置できるとより効果的です。
これらの機器の設置も、ホームページなどの媒体にしっかりアピールしておきます。
さいごに:今後の見通しと工務店がやっておきたい対策3つ
今後、日本の経済はかなり落ち込むことが予想されます。
平成20年度の年間住宅着工戸数は約109万戸でした。
しかしその年に起きたリーマンショックにより、翌年はなんと約79万戸、前年比約28%減という大幅な落ち込みとなりました。
このとき直撃だったのは、ハウスメーカーとマンション関係です。
とはいえ、工務店にも少なからず影響はありました。
その後、徐々に回復しましたが、直近10年間の平均は約92万戸でした。
コロナショックは、リーマンショックとは比べものにならないと言われており、この先を予測するのは極めて難しいのですが、決して楽観できる状況にはありません。
不況が起きると購買心理が冷え込むことはよく知られています。
これらを勘案すると、かなり厳しい状況になりそうです。
1. 手元現金を増やす
そこで「工務店経営」という観点から見ると、まずは手元現金を増やすことです。
これは融資でも良いと思います。
今は、国や都道府県の支援策もたくさん出ています。
資金繰り支援策については、緊急号外で取り上げています。
はっきり言ってしまえば、借りられるだけ借りておく、というのも一つの手です。
借りることに躊躇される社長もいらっしゃると思います。しかし今は緊急時です。
借金ですから、いずれ返済しなければなりません。
借りても使わずに済むなら、それに越したことはないのです。
受注減少が起きてくると、不安になります。
そのとき、手元資金があるのと無いのとでは、経営者としての気持ちの持ちようは大きく変わります。
手元に現金があれば安心感につながり、前向きに仕事ができるものです。
2. リフォーム・リノベに目を向ける
さらに、リフォームやリノベーションの営業に力を入れるのも良いでしょう。
新築だけにこだわっていると、日銭が稼げなくなる恐れがあります。
3. 職人を確保する
そして、職人をかかえること。
2年後か3年後かは分かりませんが、アフターコロナ(コロナ終息後)は住宅業界の景色も大きく変わると思います。
新築は反動増が期待できますが、そのときに職人がいるかどうか。
ここが工務店の勝ち残りに極めて重要だと考えています。
アフターコロナのために今から準備を
新型コロナウイルスは必ず終息するときが来ます。
そこまで何とか持ちこたえ、アフターコロナにも順調に仕事ができるように、準備を進めていきましょう。
※この記事は2020年5月現在のものです。状況は変化しています。
新型コロナに関連する情報は、今後も新しい記事にてお伝えしますので、最新のものをご覧ください。
→「新型コロナ対応」を含む記事一覧
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