これからZ世代営業をするにあたり、どのようにすればいいでしょうか?
(工務店社長・48歳・兵庫)
そうですね、ご苦労はよくわかります。
Z世代とは、一般的に1995年ごろ〜2010年ごろに生まれた世代をいいます。
昭和生まれと感覚は違います。これはもう仕方ありません。
例えば、打合せをしているのに、話の途中で突然スマホを触り始める人もいます。
私も当初戸惑いはありましたが、最近は慣れました。
まずは受け入れる、受け止めるのも大事だと思います。
Z世代の特徴を知り、慣れることが営業の近道かもしれません。
Z世代の特徴
Z世代は、生まれたときからスマホやSNSが当たり前にある世代で「デジタルネイティブ」と呼ばれています。
その特徴を簡単にまとめてみます。
情報収集はスマホで
Z世代の情報収集は「いつでもどこでもスマホで検索」です。
主にGoogle検索ですが、目的によりYouTubeやInstagramなどのSNSを使い分けます。
※詳しくは124回記事で取り上げています。こちらもご参照ください。
コミュニケーションはSNS
Z世代はSNSによるコミュニケーションがメインです。
主にLINEですが、電話もLINE電話などのアプリを使うことも多く、電話番号を覚えていない人もいるほどです。
コスパ・タイパの価値観
Z世代の背景には、失われた30年があります。
デフレ状態が長らく続き、給与は増えない、超低金利。これらの環境が生まれたときからずっと続いています。
そこでコスパ、タイパ重視になってきました。
・コスパ=コストパフォーマンス(費用対効果)
・タイパ=タイムパフォーマンス(時間対効果)
簡単に言えば、「うまい、早い、安い」が好まれるということですね。
家づくりのこだわり
前述の背景から、Z世代の家づくりに対するこだわりは次のようなことが挙げられます。
打合せのスピード感
Z世代との契約が増えている工務店の社長に聞くと、「Z世代はきちんと説明さえすれば、決断は早い」と言われます。
つまり、プランや見積のスピードを上げることが重要です。
個性あるプランやデザイン
Z世代は「自分らしさ」にこだわります。
限られた予算の中で、何らかの個性が光る提案をしたいものです。
初期費用と将来費用
初期費用が多少高くついても、将来のメンテナンス費の軽減、省エネ、創エネなども含めたトータルコストに高い関心があります。
これらのコストも分かりやすく説明する準備が必要です。
工務店のZ世代マーケティング
では、Z世代をターゲットにしたマーケティングを考えてみましょう。
1.デジタルとアナログをつなぐ~Z世代の弱みに工務店の強みを
Z世代はデジタルネイティブです。
ところが、家づくりは非常にアナログ的要素が強いものです。
ここで「いかにそのギャップを埋めるか」がポイントになります。
アナログを分かりやすく伝えるには、言葉と身振り手振りだけではムリがあります。
そこで、Z世代に対して、動画や写真によるコンテンツで工務店の情報を共有し、ファン化していきます。
これらのコンテンツが、営業ツールとなってくれます。
コンテンツ(動画・写真)の作り方
具体的には、パワーポイントやCANVAなどを使って、自社用の説明資料(プレゼンテーション資料)を作成します。
プレゼンテーション資料は、自動再生してそのまま動画として利用することも可能です。
アニメーション機能を使うと、さらに効果的に仕上がります。
この準備をしておくことが極めて重要になります。
とりあえず必要なものを挙げてみました。
まだ他にもありますが、まずはこれらを参考に、できるところから準備をしていきましょう。
ツールの作り方については、20回記事でもご紹介していますので参考にしてください。
2.情報の発信方法
Z世代が情報を検索する際は、スマホ(パソコンではありません)で、GoogleかSNSを利用しています。
つまり
■ Googleで検索されやすいホームページにする
■ SNS(Instagram、YouTube)に情報を投稿する
この2点が必須となります。
ホームページ・ブログの更新
Google対策として、ホームページは週に1回更新します。
ブログの新規投稿や、実績写真の追加でかまいません。
パソコンで作業を行った後は、必ずご自分のスマホで見え方をチェックしてください。
可能ならブログのSEO対策を行います。
SNSはインスタ重視
SNSは、InstagramとYouTubeを両方回していくのが理想です。
しかし、YouTubeは制作時間とコストがかかります。
小規模工務店の場合は、Instagramに絞り込むことをおすすめします。
写真は複数枚を毎日投稿、リール動画は週1回、頑張ってみましょう。
また、現場見学会開催の広告を掲載すると、問い合わせや申込が来るようになります。
地道に続けましょう。
3.初回面談での接客
Z世代の受け入れ準備とツールの使い方
初回面談(初回接客)の接客体制が重要です。
現場見学会、家づくりのイベント、事務所など場所は様々だと思いますが、必要な準備は下記の2点です。
■ 大きめのテーブルと、その横に大型のディスプレイを用意
■ ネット環境を整え、iPadまたはパソコンを準備
お客さまが着座されたら、1.で準備した営業ツールを使い、操作しながら説明します。
土地なしのお客さまの対応方法は?
ここで、土地なしのお客さまについて簡単に触れておきます。
土地なしのお客さまは、土地を探すことから始まります。
多くのお客さまは、すでにネットの土地情報を検索しているものです。
そこで、検索したことのあるポータルサイト(suumoやHOME’Sなど)の情報を共有しながら、土地についての希望や土地探しのポイントを説明していきます。
おわりに:接客方法を見直してみましょう
Z世代は決断が早い傾向にあります。
お客さまとの面談で、サクサクと説明できると共感を得やすく、成約につながることも多くなります。
プラン提案や見積方法の見直しを含め、よりスピード感のある接客を目指してみましょう。
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