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【108】ウィズコロナの工務店経営 #1 当面の見通しと住宅業界への影響

Q新型コロナで、工務店業界にはどのような影響が出てくるのでしょうか。
これからどう対応すれば良いのか、やるべきことを教えてください。
(工務店・40代・神奈川)

A新型コロナウイルスの影響は、想像をはるかに超えるものになりつつあります。
残念ながら、コロナショック不況は確実にしのび寄っています。

新型コロナウイルスの状況を予測しながら、いま現在、そしてウィズコロナ(コロナと共存)の工務店経営はどうするかを検討したいと思います。


なお、コロナ禍での工務店の資金繰り・資金調達については、別記事で詳しくご紹介しています。合わせてご覧ください。

工務店の時事解説

新型コロナウイルスとの闘いは当分つづく

政府および新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解(令和2年5月14日)は次の通りです。

参考厚生労働省のホームページより
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和2年5月14日)-新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(PDF:2.4MB)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000630600.pdf

(概要スライド)新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(2020/5/14)-新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(PDF:1.95MB)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000630718.pdf

では、今後の見通しを大局的に検討してみましょう。
下のグラフは、上記専門家会議の資料から抜粋したものです。

新型コロナウイルス感染症対策イメージ

グラフは縦軸が新規感染者数の増減、横軸が時間を表しています。

治療法やワクチンが整うのは「第2波」の後

新規感染者数は最初の緊急事態宣言のころにピークを迎え、現在は「このあたり?」で、減少している③に向かっているところだと思われます(2020年5月19日現在)。
その後、増えたり(②)、また減ったり(③)を繰り返し、再び大きく増えることを想定しています。

そしてその大きなヤマを越えて減少したころに、「早期診断から重症化予防までの治療法の確立」「ワクチンの開発」(緑色の枠部分)が表記されています。

おそらくこの2回目の大きなヤマが、今年の秋から冬にかけて到来する「大きな第2波」だと考えられます。
つまり、その第2波が終了した後でないと早期の診療体制は整わない、とすでに宣言されていることになります。

少なくとも今後2年間は「新しい生活様式」で

多くの感染症専門家の話によると、新型コロナウイルスの終息のためには、国民の6割~7割が抗体を持つか、ワクチンの開発が必要とのことです。

ワクチンの開発にかかる時間と必要な量を調達するためには、最低でも1年、量産体制ができて多くの国民に行き渡るまでには2年はかかるようです。

したがって、少なくとも今後2年間は「新しい生活様式」を強いられることになります

コロナ不況の足音が…

すでに新型コロナウイルスの影響による倒産や経営破綻が発生しています。
ついには上場会社のレナウンが民事再生手続を開始する事態になりました。

当初は飲食業や観光関連(宿泊業やバス・タクシーの運送業など)の窮地が報じられていました。
しかしこれから、デパートなどの小売業、製造業などにも影響が出ると思われます。
特にレナウンの倒産にもあったように、アパレル産業はかなり厳しい状況にあります。

緊急事態宣言が解除されると、しばらく反動消費はあると思いますが、全体としてはかなり深刻な不況となりそうです

新型コロナによる他業界への影響については、私どもの別ブログにて公開しています。
レナウンの倒産から経営実務を学ぶ(1)新型コロナがアパレル業界のサイクルを乱す -経営の「いま」がわかるブログ【気づきの樹】
他の業界から学ぶことも多くあると思います。よろしければご覧ください。

住宅業界への影響は?

住宅業界で大きな影響を受けているのはハウスメーカーです。

ハウスメーカーの集客手段である総合展示場は、ほぼ開店休業状態となっています。
しかも、最も稼ぎ時だったゴールデンウイークは自粛のためほとんど休業。集客は大きく落ち込んでいます。

この影響はかなり大きいと思われます。

リモート展示場が広まっている

そこでハウスメーカーは、リモートでの展示場案内を始めています。

リモートで展示場を見学したいお客さまは、ハウスメーカーに予約をします。
そして当日、LINE(ライン)やメッセンジャーのビデオ通話で見学ができるというものです。

ハウスメーカー側は、営業マンと撮影担当者が二人で組み、お客さまと会話をしながら展示場を案内します。

またVR(Virtual Reality:仮想現実)を駆使したインターネット展示場を展開しているケースもあります。

オンラインと対面の使い分けを

今後、「お客さまとオンラインで打合せ」が、日常的になることは考えられます。

とはいえ、家づくりは、やはりリアルで現場を見る必要があるでしょう。
また、オンラインでの本格的な打合せは、意思疎通がなかなか難しいものです。

このオンラインとリアル面談のバランスは、今後の課題となりそうです。

次回は、コロナ禍での集客方法と、感染対策をしながらの接客方法について考えます。
第109回に続きます。

工務店の時事解説

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ABOUT US
間瀬 隆司
工務店経営の専門家。集客・営業、人材教育・組織づくり、経営計画、資金繰りを含めた「全ての面倒をみる」スタイルのコンサルティングで、工務店さんを支え続けて30年。工務店のほぼすべてを知り尽くしており、駆け込み寺的な役割を果たしています。神奈川県横浜市在住。海を見るとホッとします。
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