第96回記事の続きです。
当日の行動についての注意点
お客さまを迎えるにあたっての心構え
まず気をつけたいのは、現場見学会には少なくとも「家を建てる意思のある人」が来場するということです。
確かに、ご近所の方がふらっと見に来られることはあります。
でも、それ以外の方、特に車で来場される方などは、それほど暇ではありません。
お客さまは、「家づくりの参考にするため」という明確な目的を持って来られるのです。
したがって、私たちもそれに応えられるよう、心構えをしておく必要があります。
再度、現場見学会の目的も確認し、準備をしておきましょう。
■ 工務店側の目的(第76回)
第一印象が一番大事
私たちの行動・振る舞いで、お客さまに与える印象は大きく変わります。
特に、第一印象が一番大切です。
お客さまが来られて、受付や周囲にいるスタッフをパッと見た段階で、自社の印象はほぼ決まってしまいます。
気を抜いてスタッフ同士で笑い合ったり、大声で話したりすることは禁物です。
いつお客さまが来られてもいいように、節度を保った態度を心がけましょう。
また、お客さまが途切れた時間帯でも、近隣の方には見られています。
接客していないときの態度のほうが見られている、という意識が必要です。
「あの会社のスタッフは、いつもきちんとしている」となるのか、「お客さまの前でだけ、いい顔をしている」となるのか。
良くも悪くも、それが自社のイメージとなり定着します。
これらのことを頭に置いて行動しましょう。
現場見学会当日の流れ
では、当日の流れについて、簡単にご紹介します。
→ 受付、アンケート記入のお願い
→ 家づくりを勉強していただく
→ 着席、自社紹介、アンケートのお願い
→ 初回面談
→ 次回のお約束をいただく
このような流れになります。
詳しく見ていきます。
現地へのご案内
お客さまが「現地付近までは来たものの、場所が分からず結局帰ってしまった」というケースがあります。
■ チラシやホームページに案内図を載せる
■ スマホ対応として、地図のQRコードをつける
などで現場が分かるようにしておきます。
近隣の方のご迷惑にならないよう、駐車場への誘導はきっちり行いましょう。
受付・アンケート記入のお願い
お客さまが受付に来られたら、「いらっしゃいませ」と一声かけます。
そして、アンケート用紙をお渡しし、記入のお願いをします。
お名前は必ず記入していただくようにしましょう。
ご住所・電話番号は、可能であれば記入していただきます。無理に勧めることはありません。
アンケート項目と使い方については、第84回で取り上げています。
アンケートに記名をしていただけない場合の対応
中には、自分の情報を記入することに抵抗のあるお客さまもいらっしゃいます。
もし「書かないと見せてもらえないのですか?」と聞かれたときの対応は、以下のとおりです。
—————
「大切なお客さまのご自宅をお借りして見学会を開催しておりますので、お名前とご住所だけはお願いしております。
もし『営業に来てほしくない』と思われるのでしたら行きませんので、中をご覧になった後にでも、おっしゃってください」
—————
それでも記入していただけない場合は、「今回は申し訳ありません」と、お断りして良いと考えています。
受付での接客のポイント
お客さまの不安を和らげたい
見学会に初めて来られるお客さまは、不安な気持ちを持っています。
緊張しているお客さまもいます。警戒心を持つ方もいます。
「自分が来てもよかったのだろうか」「どんな人がいるのだろうか」
「怪しい会社ではないか」「売り込まれたくない、だまされたくない」
ですから、受付の段階でお客さまの不安を少しでも和らげ、「来てよかった」と思っていただきたいものです。
共通の話題で安心できる雰囲気づくりを
氏名とご住所を書いていただき、「ありがとうございます、ではどうぞ」では、あまりにも味気ないですね。
そこで、住所を確認し、一声かけましょう。
「○○町のほうから、お越しいただいたんですね」
自社の周辺エリアのことはお分かりだと思います。「△△というお店がありますよね」といった話題につなげてもいいですね。
共通の話題を出すことで、お客さまも「自分の住んでいる地域を分かってもらえている」「地元に詳しい会社だ」という安心感につながります。
もし、ご住所が遠ければ、「遠くからお越しいただいて、ありがとうございます」「この見学会のことは何でご覧になったんですか」と、声をかけます。
チラシをまいていないエリアなどは、どのような経緯で来られたかが確認できる会話になります。
お子さんの会話は和む
また、お子さんがいるときは、他のスタッフが「可愛いですね。おいくつですか?」と声をかけてみます。
受付担当だけではなく、周りのスタッフも会話に参加することで、和やかな雰囲気を演出できます。
そして、「おひとりですか?」と、さりげなく尋ねてみましょう。
「うちは1人です」とか、「上の子はいま習い事に行ってます」といった会話になれば、家族構成を確認することができます。
同じ時間帯に多数の来場があった際の対応方法
最優先しなければならないのは、「アンケートの記入」です。
お客さまには少しお待ちいただくことになっても、バタバタせず、落ち着いて対応しましょう。
受付の後、会場にご案内して、先にポイントを説明し、資料があればお渡しします。
そして「どうぞごゆっくりご覧くださいませ」と伝え、受付に戻り、次のお客さまに対応します。
会場内では、同時並行で2~3組を接客するように心がけましょう。
第98回に続きます。
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