第94回記事の続きです。
お問い合わせをうながす仕組みを考える
お客さまが自社のホームページやブログを見てくれているだけの状態は、まだ「出会い」ではありません。
「出会う」ためには、自社とお客さまが、どこかで実際の接点を持つ必要があります。
そのための仕組みについて考えていきます。
第92回で、工務店とお客さまの行動の流れについてご紹介しました。
今回はこの中の、
[お客さまが「資料請求」や「冊子プレゼント」などのボタンをクリックし、申し込む]
部分を取り上げます。
一番ほしいのは、お問い合わせ
お客さまがネット上で、そのホームページにとって意味のある行動を起こすことを、「コンバージョン」といいます。
例えば
・商品を買う
・会員登録をする
・資料請求をする
・無料体験を申し込む
などです。
「申込欄に自分の情報を入力して、申込ボタンを押すこと」と考えると分かりやすいと思います。
工務店としては、まずは「お客さまが問い合わせをしてくれる」ことが一番ですね。
なぜ資料請求が必要なのか
例えば、お客さまが、ネット検索で御社のブログ記事にたどり着いたとします。
ブログを読み、「感じのいい会社だなあ」と好印象を持った場合は、次に会社概要や実績のページを見ます。
しかし、家は一生で一番高い買い物ですから、ホームページを見ただけで「買います!」とはなりません。
実物を見たくても、いきなり工務店に飛び込むのは怖いものです。
メールで問い合わせをするにも勇気がいります。
でも、「資料請求くらいなら、訪問されるわけでもないからいいか」となります。
そこで工務店側は、「資料請求ボタン」を設置し、申込してもらう仕組みを作っているのです。
資料請求をもっと簡単にしたい
ところが、資料請求フォームに行くと、氏名・住所・電話番号・メールアドレスなど、入力項目が多くあります。
これを見た瞬間に、「まだいいか…」となってしまいます。
「資料請求フォームに入力するのは、かなりハードルが高い」というお客さまは多いのです。
そこで、ハードルを下げ、メールアドレスだけでも入力していただけるような、簡単なフォームにすることを考えます。
メールアドレスが必要な理由
そもそも、ホームページを作成して運用するのは何のためでしょうか。
それは、最終的に「お客さまの連絡先を集めるため」といっても過言ではありません。
「お客さまの連絡先」とは、メールアドレスのことです。
メールアドレスがあれば、現場見学会のご案内や、イベント情報をお送りできますね。
しかも、DMより格段に安いコストで可能です。
さらに「ステップメール」を用意すれば、お客さまとの距離感を縮めることができます。
<ステップメールとは>
「ステップメール」は、あるテーマについてのメールを、何回かに分けて自動的に送信してくれる配信サービスです。
例えば、「初めての家づくりで注意したいこと」といったテーマを決めて、5回分のメールを用意しておきます(回数は何回でも可能です)。
お客さまが「この内容を知りたい」と興味を持ち、申込をしたら、自動的にメールが送信されます。
1日おきや3日おきなど、あらかじめ設定したスケジュールで配信されるのです。
5回のメールを読めば御社のファンになり、「一度建物を見てみたい」という流れを作ることができれば、一番よいですね。
メールアドレス登録の仕組みをつくる
では、実際にお客さまに「メールアドレスを登録していただく」仕組みを見ていきます。
ここではシンプルな「小冊子プレゼント」をご紹介します。
「小冊子のPDF」を用意する
工務店業界では一時期、小冊子プレゼント作戦が流行りました。
まだ持っている工務店さんは、それを利用しましょう。
ない場合は、「家づくりの成功のポイント」といったタイトルの冊子を作成することをおすすめします。
ネット上でプレゼントするために、小冊子はPDF化しておきます。
無料プレゼントのボタンを設置する
この小冊子を「無料で差し上げます」として、ブログ記事やホームページに載せるようにします。
基本的には、「小冊子プレゼント」のようなボタン(バナー)を埋め込みます。
プレゼントの仕組み
お客さまが「小冊子プレゼント」のボタンをクリック
→ 別ページに飛び、その小冊子の内容が簡単に記載された入力フォームがついている
→ お客さまがメールアドレスを入力する
→ PDFファイルがダウンロードできる
このような仕組みとなります。
その後どうすればよいのか
申込があると、御社にお客さまのメールアドレスが届きます。
そのメールアドレスに、現場見学会のご案内やイベント情報などのメールを配信する、という流れです。
お客さまは、御社の小冊子や、配信されたメールを読みます。
そして、御社の考え方や建物などを検討します。
御社との相性も、お客さまご自身が判断できます。
そして、興味を持ったお客さまからは「資料請求」や「見学会の参加申込」が来るようになります。
資料送付の際のポイントは、第44回で取り上げています。
現場見学会については、第75回から特集しています。
個人情報の保護に注意を
なお、メール配信で使うメールアドレスについても、「個人情報」の扱いとなります。
自社ホームページに「プライバシーポリシー(個人情報保護方針)」の記載があるかどうか確認しておきましょう。
個人情報を収集するサイトでは、プライバシーポリシーが必要です。
個人情報保護法に関わる事項ですので、注意してください。
個人情報については、第69回でも取り上げていますので、合わせてご覧ください。
Googleアナリティクスの記載も忘れずに
余談になりますが、ホームページやブログ内で、Googleアナリティクス(アクセス解析ツール)を使っている工務店さんも多いと思います。
その場合、「Googleアナリティクスを利用している」ことをプライバシーポリシーに明記する必要があります。
Googleの利用規約に定められていますので、遵守するようにしましょう。
かなり重要なポイントになります。
今後も最新の情報をご覧ください
ネット集客に関する内容は、以上で一区切りとなります。
ここでは2019年現在、効果のある方法をお伝えしています。
しかし、第93回でご紹介した通り、ネット関連のルールは頻繁に変わっています。
このブログでも随時新しい情報をお伝えしていきますので、今後も最新の情報をご参照ください。
この記事に関するご質問・ご感想・お問い合わせは【工務店経営の専門家・ジクージン】まで、お気軽にお送りください。