そこで事務所の改修費1,000万円を1.5%で借りようか、悩んでいます。
どう思われますか?
(53歳・工務店・愛知)
どうして金融機関のほうから「融資する」と言ってくれるのか。
相手方の事情を考えてみましょう。
いま、地方銀行は融資先がないのです。
それはどういうことでしょうか?
地方中小企業の80%はトントンか赤字です。
ですから、融資をしたくても融資先として安全な企業が少ないのです。
ということで、銀行は「少しでも融資基準を満たす会社であれば融資したい」と考えています。
借りる必要はありますか?
さて、そもそも借りる必要があるのでしょうか?
通常は借りる必要がなければ借りない、これが基本です。
いくら低金利と言ってもムダはムダです。まして1.5%では話になりません。
もし借りるのなら、「0.5%でお願いできませんか?」と3つくらいの銀行にあたってみてはいかがでしょうか。
なお当然ですが、「借りてやる」的な横柄な態度は禁物です。
金融機関との付き合い方を考える
ところで、毎日のように通ってくる銀行員に対して、情に流されて借りてしまう優しい社長さんも見かけます。
しかし銀行員は3年でローテーション、つまり転勤します。
ですから、その時の担当者や支店長と話が合っても、その後はどうなるか分かりません。
相手の状況も考えて冷静な対応を
よく「銀行は晴れた日に傘を貸し、雨が降ったら傘を貸さない」と例えられます。
これは本当の話です。
「借りてくれ」と銀行に言われている間は、確かにこちらのほうが強気になれます。
でも万一業績が悪化し、返済が遅れそうになったら、銀行は簡単に手の平を返します。
それまでの対応から一変するのです。
ドラマでよく見るシーンですが、現実です。彼らも仕事ですから。
借りるなら、そういうこともよく理解しておいてください。
その上で、銀行員との関係は維持しながら、心の中ではどこまでも冷静かつ現実的に対応することをおすすめします。
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